宅老所について
宅老所とはどんな施設なのでしょう
一般的には省スペースの家屋や民家などを活用し、家庭的な雰囲気のなかで、一人ひとりの生活リズムに合わせながら柔軟にケアを行っている小規模な事業所を言います。
デイサービスのみを提供している施設もありますし、泊まり(ショートステイ)や自宅への支援(ホームヘルプ)、住まい(グループホーム)、配食などの提供も行っている宅老所もありす。サービス形態はさまざまなんですね。
利用者も、高齢者のみと限っているところがある一方で、障害者や子どもなど、支援の必要な人すべてを受け入れるところもあります。
宅老所の発祥は?
1980年代の半ば頃から全国各地で始まった草の根の取り組みから宅老所は始まりました。大規模施設では落ち着けない、あるいは施設では受け入れてもらえない認知症高齢者に、少しでも安心して過ごしてもらいたいと願う介護経験者や元介護職員・看護職員などによって始まったものです。人々の優しさからはじまった歴史がありますから、家庭的でくつろげる施設だということがわかります。
宅老所とは利用者が過ごし易い環境を提供することを第一に
大規模施設では問題行動のある利用者だと思われた方々も、宅老所では、他の利用者とお茶を飲んだり談笑したりと、落ち着いて過ごされる姿が見られることは、やはり利用者にとっても家庭的で過ごし易い環境が受け入れられているのだと思います。
宅老所の発祥は介護や福祉の考え方に影響しました
1998年に宮城県松島町で第1回目の「全国宅老所・グループホーム研究交流フォーラム」が開催されました。このフォーラムを機に1999年には、宅老所の実践者やそれを支援する仲間がつながって「宅老所・グループホーム全国ネットワーク」が発足したのです。
家庭的で、一人ひとりの生活リズムに合わせた柔軟な宅老所のケアは、「逆デイサービス」や「ユニットケア」「地域共生ケア」「小規模多機能ケア」などの実践を生み出すなど、日本の介護や福祉のあり方にを変える切っ掛けにもなってきました。
私たちは佐久市の宅老所《なごみの丘》を運営しています。